真剣に保育士を目指す方、必見!保育実習での不安を取り除くための解決策

保育士を目指す実習生の皆さんも専門的な用語 アスペルガー症候群

発達障害の中で、自閉症と違って、知的な遅れはなく、言語発達にも遅れが見られない人がアスペルガー症候群と言われます。発達障害が一般的に心配されるようになってから、このアスペルガー症候群についてもこれから保育士を目指す実習生の皆さんも専門的な用語については、しっかりと知っておいて欲しいと思います。
 

体験談:

私が担当したアスペルガー症候群と診断したBちゃんのお話をします。出会いは5歳児の4月、今まで家で過ごされていたのですが、お母さんが少しでも同じ年齢のお子さんと触れあわさせたいという思いから、保育園に入園させられました。主任をしていた私は、入園前に、園長と一緒に面談(相談)に来られたときに初めて会いました。
 
園長室でも緊張することなく、園長室にあるいろいろな物を触ったり、じっと見たりしている彼です。私が「お名前は?」と聞いても全然無視です。お母さんが「な・ま・え」とゆっくりと彼に尋ねられると「○○ ○○!」とはっきりと言います。でもその時目にしたのは目を決して合わそうとしないということです。
 
この様子を見ますと「自閉症?」と思って質問をしましたが、「軽い自閉症も言われているんですけど、ちゃんということはわかっているし、言葉も覚えていっているんです。」とおっしゃいました。入園後、彼と話していて、しっかりと話してくれる部分とそうでない時があり「なるほど、これが彼の個性なんだ!」と思ったものです。
 
保育が始まって初日から彼の言動にはびっくりさせられる場面が多々ありました。一旦折り紙をしだすと、「次はお外で遊ぶよー!」とみんなが外に出ても、お部屋に残って折り紙をやめようとしないということがありました。
 
また、みんなで「もりのくまさん」を歌っているときのことです。彼は元気いっぱい歌っていたのですが、突然「ツキノワグマは凶暴やで。人を襲ったりするし・・・」と熊について語りだしたのです。そして、「先生。熊にはどんな種類あるか知ってる?」と聞きだし、「後でね」と私が言っても何度も聞いてくるのです。その様子を見ていた周りの園児がポカーンとしていたこともありました。
 
実習中に彼のような子どもさんを担当できたらいいですが、彼は正直に、「今したいこと」をしたり、言ったりしているのです。それが、場にそぐわない行動や発言になるのですね。お母さんのお話でも、「ほんとうに好きなことはいつまでも飽きずにするんですよ。反対に興味のないことは全くの無関心です。」と聞きました。
 

知っておいて欲しい発達障害の実態

1.無理に叱らない

彼らを理解するには、次のような例で考えてみるといいでしょう。例えば歩行困難の肢体不自由の方がおられたとして、とても自力では山登りは無理でしょう。アスペルガー症候群の彼に、自力でみんなと同じことをしなさいと言っても無理だということです。障害は障害と認めながら、車椅子に乗った肢体不自由の方をみんなで押そう!と同じように、園児たちの力を借りながら、彼への支援をしていくのです。
 

2.こだわりを生かして

いつもそういうわけにはいきませんが、アスペルガー症候群の彼には自尊心を高めるために、彼のペースに合わせる時間をつくっています。また、「Bちゃん!」と声をかけても無視することが多いです。でもこの無視は、無視ではないのです。耳に入っていないのです。私たちは何かに夢中になっていても誰かが話しかけてきたら振り向きますね。アスペルガー症候群の彼は夢中になりすぎて聞こえないのです。
 
ですから、彼の話の中に入りながら、話したいことを話すという感じになります。なかなか文章では説明しにくいのですが、普段の保育は、本人が今興味を持っている話題で話しながらコミュニケーション能力を養っていきます。実習生の方は、とにかく彼の世界に入ってください。彼が興味あることを調べたりして、「おっ」と思わせてください。
 

3.感覚的に嫌うものがある

アスペルガー症候群のもう一つの特徴が、光や音などの視覚や聴覚の刺激に敏感です。まぶしい光が嫌だ、特定の音が怖いなどです。その音を聞いたら耳を塞いでいらいらした状態になることがあるのです。さらに、私が受け持ったB君は、公園に行くと耳を塞いでいました。どうしてかな、と思っていると、ブランコのきしむ音が嫌だったのです。後にお母さんに聞いたのですが、「地下鉄のレールと車輪の摩擦音「キー」という音がいやで乗れないんです。」ということもあるのです。
 
このようなことを理解しますと、特に園児の時代には、何がいやなのかをはっきりと言いませんし、周りの大人も分からないので戸惑ってしまうことが多いとお分かりいただけるでしょう。実習生のあなたが学んで欲しいことは、みんなが育てづらいと思うアスペルガー症候群の園児にとっては普通の行動をしているという理解です。そして、無理に治そうとせずに、彼のペースをつかみながらの保育を行うことなのです。